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たとえば企業では、トップに君臨する者だけが勝者であり、そのすぐ下から最下層までは、さまざまなレベルの敗者の集まりだ。
しかし、こんなふうに成功を測定する必要はどこにもないのである。
人生も、仕事も、たくさんの勝者に席を用意している。
誰でも天国にいけるのであり(もちろん地獄へもいけるが)、誰かが合格すれば、誰かが不合格になるというわけではない。
実際は、他の人を助ければ、それだけあなたが成功する確率も大きくなる。
そして、野心もゼロサム・ゲームではない。
あなたが目標を達成しても、そのせいで誰かの目標達成が阻まれることにはならないのだ。
実際、たったひとりの勝者しか許されないような目標を立てるのは、とても無謀な賭である。
なぜ、自分が不利になるようなことをするのだろう?他の人もいっしょに成功できるようなゴールを目指すほうが、はるかに理にかなっているではないか。
勝者はたったひとりではないという考え方は、正直さにもつながる。
私たちは自分が負けそうになると、勝手におとぎ話を作って自分を守ろうとするからだ。
人は争いに負けると、勝った人物の能力を実際以上に大きく見せようとする傾向があるということが、数々の研究の結果明らかになっている。
ライバルを怪物に仕立て上げることで、自尊心を守ろうとしているのである。
「確かに負けたけれど、もとから彼女とはレベルが違いすぎたのよ」。
そして勝者のほうも、自分をさらによく見せるためにライバルの能力を誇張する。
また別の調査によると、競争的な人は失敗したときのいいわけが多く、すぐに運のせいにするという傾向があることもわかっている。
自分が負けたのでも勝ったのでもないと考えるようになれば、このようないいわけや嘘は必要なくなるのである。
競争という言葉の起源はラテン語で、「共に栄える」という意味である。
スパーリング・パートナー、ジョギングのパートナー、勉強仲間などは、みな元々の意味での「競争」をして、お互いの力を引き出していることになる。
このような「協力的な競争」なら、ベストの力が発揮できるはずだ。
たとえばストリート・バスケの場面を想像すると、いちばんわかりやすいだろう。
何人かの男たちが、思い思いにシュートをしている。
しばらくしてから、誰かが試合をしようと提案する。
チームは実力が伯仲するように分けられる。
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