Webを使った集客向上方法とは?
昨今、「Webマーケティング」「ネットマーケティング」という言葉を見聞きする機会が増えてきた。しかし、それらは本質的に何を指しているのだろうか。今回は、Webマーケティングとはどういったものであるか、またどうあるべきかなどを、EコマースサイトのWebマスターとして活動している筆者の体験を交えて解説していこう。
Webマーケティングとは?
IT用語辞典(http://e-words.jp/)によると、Webマーケティングとは「WebサイトやWeb技術を応用したマーケティング手法」とある。要するにインターネットを使ってマーケティング活動を行うことである。それは、新しい顧客を呼び込む集客から、自社の顧客に対して行うリテール、顧客サポート、調査など、非常に多岐にわたる。IT用語辞典にも書いてあるが、間口は広いが奥が深いために一般的な活動ではなかなか思うような成果を得られにくい。非常に高度なノウハウが必要である。
Webマーケティングをひと言で語るのは難しいが、あえて語るとするならば、「インターネットを使って収益を得るための企業活動」といえるのではないだろうか。ただ、人それぞれ異なる理解があると思うので、必ずしもこれがWebマーケティングであると言い切ることはできない。
Webサイトで収益を上げる方法
それでは、Webサイトで収益を上げる方法はどのようなものがあるのだろうか。おもな収益モデルは、次に挙げる3通りと考えられる(1)。ひとつはWeb上でモノを売って収益を上げる物販モデル。もうひとつはコンテンツにより人を集客し、広告掲載を募る広告モデル。そして、モールやアフィリエイトに見られる手数料モデルである。
(1)Webの収益モデル
1.物販モデル
筆者自身が現在行っている活動もこの物販モデルに当たるが、いわゆるEコマースサイトの運営だ。企画した商品をエンドユーザーに直接売る活動である。商品開発、集客、決済、物流、サポートなど、Webの知識にとどまらないさまざまな知識が必要になってくる。
2.広告モデル
GoogleやYahoo!などのように、コアとなるコンテンツをもちながらユーザーを集め、そのユーザーに対して広告を募るというモデルである。これはまずコアとなるコンテンツをつくる必要があり、そのうえで広告営業を行わなければならない。実際にモノをつくったり、動かすわけではないので非常に利益率は高いが、収益に至るまでには高度なノウハウとコストがかかる。
3.手数料モデル
楽天のようなモール形式で収益を上げる場合は、物販モデルに似ているかもしれないが、手数料モデルという位置づけのほうが正しいだろう。このような場所を貸し、集客にチカラを入れる方法もあれば、アフィリエイトサイトのように、自らが販売活動を行うが、実際に決済やモノを動かす活動は依頼者が行うといった手数料収益も、この手数料モデルと見なすことができるだろう。
Webマーケティングの現状
ここから具体的なWebマーケティングについて解説していくが、筆者自身は日ごろ物販サイトの運営を行っているため、話のベースが物販モデルであることをご理解いただきたい。Webマーケティングの活動という部分では、物販サイトの運営はかなり幅広く網羅しているため、Webで収益を上げるということにおいては、参考にしていただける部分も多いだろう。ご自身がかかわる仕事に置き換えて、明日からの活動に生かしていただければと思う。
Webマーケティングの基本
一般的にマーケティングの基本として、「Product」「Promotion」「Place」「Price」といった「マーケティングの4P」というものがある。Webマーケティングにおいても基本は同じで、通常のマーケティング活動において、Webをいかに有効に活用していくかが課題である。
書籍などでWebマーケティングについて語られている場合、Promotion(いわゆる集客)の部分に触れていることが非常に多い。アフィリエイト、リスティング、SEOなどがそれに当たる。しかし、一度取引が発生したお客さまに、継続的にサービスや商品を提供していこうという活動に関して語られていることは少ない。
集客だけに偏らず、呼び込んだお客さまに引き続き取引を行ってもらうための活動について、サポート面や分析業務といった幅広い視点でWebマーケティングの本質に迫っていく。
Webマーケティングを構成するもの
物販におけるWebマーケティング活動には、次のふたつの側面がある(2)。ひとつはWebマーケティング(物販)活動を行うために必要な要素。そしてもうひとつはWebマーケティング(物販)の売り上げを構成する要素だ。
(3)Webマーケティング構成図
1. 商品・集客・Webサイト・決済・物流
物販におけるWebマーケティング活動を行う際に必要な要素は、「商品」「集客」「Webサイト」「決済」「物流」である。
最新の技術を使ってさまざまな活動を行うにしても、物販の場合は、商品についてまず第一に考えなければならない。価格とのバランスなど、気を配る点はいくつかあるが、商品に魅力がなければ集客もままならない。ただし、現実問題として、商品開発から手がけられないという人は多いだろう。Webサイトは店舗の役割を担うので、つくりや使い方に気をつける必要がある。決済については、今やさまざまな決済方法があり、Webという世界に向いた決済、またモバイルでの決済も年々増加している。物流についても、お客さまの元へ商品を届ける手段となるので、どういった方法を選択するかがカギとなってくる。
2. 購入者数×単価×リピート回数
もう一方の側面である売り上げを構成する要素についてだが、Webマーケティングに限らず、物販を行ううえで重要な数値は、「購入者数」「単価」「リピート回数」だ。アクセス数やコンバージョン率など、見るべき数値は山ほどあるが、突き詰めるとこれら3点になっていく。何人にいくらで何回買ってもらうか、これが売り上げをつくる基になる数値である。物販におけるWebマーケティング活動は、これらの数値をバランスよくアップしていくことであり、それが売り上げにつながる世界なのだ。
このように商品・集客・Webサイト・決済・物流をいかに構築するか考えながら、それらを購入者数・単価・リピート回数という数値でチェックしていく作業となる。文章にしてみると簡単に思われるかもしれないが、これらのバランスをとりながら中長期的に売り上げを上げていくという作業は容易ではない。また、これらすべてを一人で行えるわけではないので、ポジションによってはチームをまとめながら、目指すべき方向へ向かっていかなければならない。これら一連の作業がWebマーケティングといえる。
いずれも、通常のマーケティング活動とWebマーケティングの場合とは対応が異なるので注意したい。
前回のコラム「会社設立してから始める Web 対策の手順」では、会社を設立して始める Web サイトを制作する際のポイントについて述べた。今回は、その Web サイトをどのようにプロモーションするかについて考えたい。
前回、サイト制作時に「訪問者の理想的な動線はなにか」を考えるべきといったが、Web サイトへ訪問者を増やす施策(=集客)も基本は同じだ。
ターゲット層を想定して Web サイトを作ったのに、違うターゲットで集客したら意味がない。だが、実はしばしば見受けられることなのだ。例えば SEM 施策を行う際、登録したいキーワードが Web サイトに関連するコンテンツが無いため掲載できないということがよくある。サイト制作担当が考えたターゲットユーザーと、集客する担当者が考えるターゲットユーザーとが違っていたのが原因のひとつと考えられる。
大企業の場合、Web サイトを制作する部署と、集客をする部署が別で、それぞれが別の角度からターゲットを考えて施策をしてしまうことがよくある。その点、設立直後の会社では、良くも悪くも同じ人が両方考えないといけない事が多いので良いかもしれない。サイト制作とサイトへの集客。ターゲットユーザーは一貫して考えるようにしたい。
■サイトプロモーションの最初は SEM とアフェリエイト
折角、Web サイトを立ち上げてもそれだけではあまり集客を期待できない。無数の Web サイト(=競合)があり、それぞれ集客施策を行い、しのぎを削っている。サイト集客の手法は多数あり複雑なので、Web ビジネスを行っていない場合、集客に関しては予算をかけにくいので費用対効果が高く、敷居が低いサービスがよいと考えるだろう。業種に特化したポータルサイトへの広告出稿を第一に考えることもあるだろうが、検索エンジン対策(SEM)は、どの業種にも適した施策だろう。
Web サイトへの訪問ルートとして一番多いのが検索エンジン経由であり、ターゲット層を想定しキーワードを選択して対策できるので効率的に集客できる。特にリスティング広告は、最初のプロモーション方法として最適だといえる。同じ検索エンジン対策として SEO も費用対効果は高い。SEM は非常に奥深いため、その施策方法や考え方は、いままでのコラムでも述べてきたし、別の機会にしたい。
次に考えたいのはアフェリエイトだ。プロモーション費用を成果報酬にできるのが魅力だ。特に個人を顧客にしているサービスを提供している場合、アフェリエイトは考えておきたい。成果にかかる対価(CPA)は、自分で決めることができるが、予算が少なすぎると成果数(CV数)を稼ぐことができなくなることがあるので注意が必要だ。これ以外の施策もたくさんあり効果があるものもあるだろうが、SEM とアフェリエイトを最初に検討することを薦めたい。
■自社サービスの告知方法を工夫する
広告と別の視点から、Web サイトのプロモーションを考えてみよう。会社を設立して自社のサービスや商品ができると自社サイトの「新着情報」等の欄に掲載するのは一般的であり、当然行うべきだ。
しかし、自社の Web サイトの中だけで告知するのでは十分とはいえない。既にユーザーが訪問すれば関連する情報が得られると認知されている Web サイトなら Web サイトのみの告知で十分だが、多くの場合そうではない。
Web サイトをリアルの店舗と考えれば、Web サイト内の告知は来店者のみに告知しているに過ぎない。店舗に向かわせる動機にするためには別の施策が必要だ。
インターネット上には、プレスリリースを掲載しているポータルサイトや、各媒体にプレスリリースを一斉配信してくれるサービスがたくさんある。これらに掲載されるリリース情報は、紙媒体と違い、リンクをたどって自社サイトへ1クリックでたどれる場合が多い。関心を示してくれたユーザーがすぐに Web サイトに訪問してくれる動線を獲得する事ができる。
サービス・商品の問い合わせをする動機として、大きな要素になってきているのが、ユーザー自身の意見だ。mixi、はてな、kakaku.comなどに書きこまれたレビューやコメント、ブックマークなど、また個人の Blog の内容がユーザー行動の動機に強く作用している。リリースがそのきっかけになることもよくあることだ。
インパクトのあるプレスリリースなら引用され別の Web サイトに掲載されることもある。それだけユーザーの反響を受ける機会も増える。
そこまで考えて対策するのは高度であるが、少なくとも自社サイト以外に告知をする行為を行わないと知ってもらえる機会が減る。ユーザーがどのような意識をもってそのリリースをとらえ、行動するかを考えるだけでも価値がある。
■Web サイトは、会社の鏡
以上が簡単であるが設立後、最初のサイトプロモーションで抑えておくポイントだ。Web サイトは対面で相手が見えるものではないので、対策を後回しにしがちであるが、Web サイトでその会社のイメージが判断され、Web サイトへの動線により会社やサービスの認知される度合いが大きく変わる。Web サイトは、会社の広報でもあり営業マンでもある。会社の Web サイトは会社そのもの、軽視すべきではない。今後、会社を設立する方、設立されたばかりの方の参考になれば幸いである。